夏至

絵を描くことしか起こってないけど、頭の中は忙しかった。

手と思考と感情はバラバラ。どんどんと絵が出来てくるのを見ながら、過去のいろんな出来事、ネガティブな妄想が湧く。気がつくと朝だったり、夜中になっていたり。3日間風呂に入っていなかったり。久しぶりの感覚を何度も味わった。

市民税の納付書を横目に、気になっている展覧会に出かけた。

特別展の作品数は多くないものの、想像をはるかに超える素晴らしさと絵師のセンスに打ち抜かれた。常設展のコレクションも素晴らしい。ガイドの説明も分かりやすく、非常に丁寧。最高に幸せだった。

絵を描く生活をしたい。

 

 市民税、年金、健康保険、カードの支払いに、月謝。どう考えても、全く足りない。

絶望的で久々に落ちた。手っ取り早いのは給料を得る為に時間を割いて働くこと。

でも、もうそれはしたくない。支援を申し出るか、このままいくか。支援を依頼するにも手元には絵一枚しかない。どうやって?

 

翌日の朝、腰を捻り、動けなくなった。幸い夕方には壁づたいに歩けるまでに回復するが、歩き回ることも絵を描くことも出来ず。同じ体勢がきつい。

何もできない状態でいることを余儀なくされる。

一作品仕上げてから、月曜日から、夏至まで、と金策を先延ばしにてきた。この状況にどこかほっとしている。

どうにかしなければと思うから、どうにもならなくなる。

この状況、世間的には私がダメ、ということになるのかな。でもどうしても私がダメだとは思えない。

この体験がいったいなんなのか分からないけど、今は出来る範囲の気が向くことしか出来ない。