楽しむことへの抵抗
退職してから、毎日が楽しい。
近所の公園で小鳥のさえずりを聞きながら、一人でくつろぐ時間は天国。朝の爽やかで涼しい時間から本を読み、エスプレッソとパンをいただく。ぼーっとしたり、湧いてくる思考と過ごしたり。少し昼寝をして、2時頃に引き上げる日々。
昨夜スーパーの一角に3~4種類のチーズのセットが数種類あるのを見つけた。
「木陰でシャンパンでもいいな。明後日からは暫く雨だし。」と湧いた。「無職なのに、こんなことしてていいのかな。収入のあてもないのに。」と湧く。「更に楽しい気分で過ごせるだろうけど、別に今はそこまでやる必要はないかな。一人で公園で過ごしているだけだし。いつも通りのエスプレッソとパンが気楽。」と続けて湧く。気楽?なんか嫌になった。私が私をほどほどの満足でなだめようとしている気がした。今ゆっくりと過ごせる時間は、私から私へのギフト。一番リラックスして楽しんでいる時間を、もっと楽しむアイデアが湧いたのに、なぜいたたまれないストーリーが紐付いた感覚が湧くのか?バカ高いものを買うわけではない。エスプレッソとシャンパンのハーフボトルの差が、なぜこんなに重苦しい? 朝食ではなく、アルコールだから? もうエスプレッソでいいとは思えなかった。
普段よく飲んでいるCAVEのハーフボトルに目がいくも、朝からそんなに飲めないかもと思い、更に一回り小さいスパークリングワインを選ぶ。チーズとパンを買って帰宅。
翌朝、ウキウキ♪ でシャワーを浴び、洗濯物を干し、ゴミを出し、出かける準備を始めた。フルーツとチーズを切って、紅茶を用意。楽しむと決めたら、あれもこれも持っていきたくなり、荷物が増えたのでトートバックからザックに入れ替えた。
園内の敷地はかなり広い、けど浅い。歩く人から死角になる場所がない為、人通りの少ない小道の奥の木陰が私のお気に入りの場所。人目を気にしながらチェアを広げ、早速セッティング。テーブルを広げてクロスをかけ、キャンドルを置いた。クーラーバッグからスパークリングワインとチーズ、タコの唐揚げを取り出す。パンと本、MP3も用意した。完璧♥ チェアに座り、しばし小鳥のさえずりや葉音に耳を傾け、風を感じてみる。
ん~、いい☆ ちょっと荷物が増えたし時間がかかったけど、準備は楽しかった。いつもの朝食スタイルでこの満足感は味わえない。楽しむと決めて良かった~♪ と湧いた。
チーズをつまんでボトルを開けた。甘過ぎた (-.-;)チーン 最初のチーズはまあまあ。ところがドライフルーツが入ったクリームチーズ2種類が不味い。口に入れ、歯を下ろした瞬間にダメだと思った ( ノД`)オエー パンもいまいち (>_<)マズー
フルーツと暖かい紅茶に癒され 虫除けにお香を焚く。
シャンパンを楽しむことへの抵抗感は乗り越えた。セッティング迄は最高の気分。けど妥協した部分は見事に外れた。スパークリングワインは普段なら選ばない、お手軽な甘口の小瓶で手を打っていた。チーズは気になっているものがあったけど、今の私には贅沢に思えて手が出せず。スーパーのチーズセットなら手軽でそれっぽい気分が味わえると思った。
・もう中途半端に「取り敢えずそれっぽいこと」をするのはやめた。
・私を最高の気分にさせたいなら、気になるもの、ピンと来るものを選ぶ。
選択したものがイメージと違っても「自分の感覚を信じた。誤魔化さなかった。」という満足感がある。自分を誤魔化すのが一番嫌。踏み出せないなら、それを自覚すればいいだけ。明るく受け入れ、出来る範囲で自分の心地よさを、好きなだけ追求する。
・楽しむと決めたら、楽しむ為に自分に誠実になる。どんな過程も楽し。
起こったことは、スパークリングワインとチーズとパンを買い、翌日公園で食べた。
それ以外が湧いた感覚とストーリー。